東京女子学園中学校 TOKYO JOSHI GAKUEN Junior High School

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2016.12.05 過去のニュース

「視覚化」「映像化」する 小説読解!国語科アクティブラーニング

12月2日(金)高校3年生国語の授業にて、小説読解のアクティブラーニングを行った。事前学習として、志賀直哉の「城の崎にて」の執筆背景を説明しておいた。通読はしていない。

当日28名のクラスを5班に分け、次の意味段落の読解をそれぞれ指示した。
1、城の崎温泉で自分の死を思うシーン
2、蜂の生と死の対比のシーン
3、ねずみが死を前にして動騒を起こすシーン
4、桑の葉が風にヒラヒラするシーン
5、イモリが偶然に死んでしまうシーン

そして、「どこでもシート」に
1、絵を描く(色を付ける) 
2、キーワードを書く 
3、作画にあたっての工夫を書く
4、発表者を決める
という課題で25分与え、ディスカッションと作画をした。

意図:常々、文章特に小説は「視覚化」「映像化」することが大切と言ってきた。
それを実際に確かめようということだ。描くことで作者の執筆の意図・文章構成が明らかになることを実感してもらいたいという狙いである。

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各班で読解 絵を描く(視覚化) 各班で話し合う
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シートに書き込む 様々な工夫 キーワードを書く


1班から順に説明させ、その絵とメモの要点を黒板の端にまとめた。
1、死への親しみ、寒色系(青)の景色=死の色
2、生=動 死=静 の対比 
3、生の前の苦しみ、ねずみの動騒に自分の事故の時の様子を重ねる
  
(ねずみの顔と直哉の顔を同じ顔に書いた生徒の工夫は素晴らしかった)
4、桑の葉の前にたたずむ直哉、青の景色 (1のシーンとの類似)
5、偶然の死  生と死は「両極ではない」という結論

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各班の説明 青の景色とは… まとめ


Dsc_0351教室で一度も通読せずにこれだけのこと(一度死にかかった男が、それを契機に小動物の死などを通して死とは何か、生とは何かを考えて行く)を生徒は読み取ったのである。絵を描くことで、物語の細部にまで目が届き、正確に物語を把握したことが分かる。

最後に、講評として、発表・作画最も難しかったのが4班であることをつげた。死の色である青の世界の中で、ヒラヒラと動く=生、そして唐突に動かなくなる=死という絵柄を完成させたことが素晴らしく、この暗示が、5段落の結論につながっていく伏線なのだとまとめた。

蛇足として、直哉自身はこの緻密な段落構成を意図的に行ったということはなく、見たままを、経験したままを書いたということ説明した。

Dsc_0318「なぜ、風がないのに葉がヒラヒラして、風がやむと動きを止めた」と、生前の直哉に高校生が訊ねた書簡に対する答、「だってそうだったから」という言葉を紹介した。意図的でなく、これだけの文章構成ができるのが「小説の神様」と言われる志賀直哉なのだということを授業を通して実感してくれたと思う。(国語科 C.I)


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