お題「雨」
　　「雨ってさあ、憂鬱だと思う？」
　もう一週間近く降り続いている雨を透明のビニール傘越しに見ながら隣を歩く不機嫌そうにも何も考えていなさそうにも見える学ランに話しかけた。
「雨が憂鬱だ、じゃなくて憂鬱だと思うか聞かれたのはさすがに初めてだわ」
「私も聞いたの初めてだけどね。……で、どうなの？」
　こんなよく分からない(と自分でも思う)質問をぶつけられる相手なんて並んで歩いているこの彼くらいだから仕方ない。視線で答えを促せば、彼は私と同じような安っぽいビニール傘を持ったまま目線とともにそれを上に傾けて少し考えているようだった。
「んー、別に嫌いじゃないよ。……っていうか、たぶん考えてること、たいして変わんないと思うけど？」
「そっかあ……」
　誰に、何が、どんなことが。そんなことは聞くまでもなく分かる。
　浅い水溜まりの上をローファーが掠めて通る。爪先で雨だか水溜まりだか分からない水滴が跳ねた。
　ぼんやりとそれを見つめながら、少し嬉しいような、寂しいような、そんな気持ちになった。

火曜日と木曜日の週２回活動している漫画部では、毎回お題を決め、それに沿ったイラストや漫画（例外として小説）を描くことを活動内容としています。
　梅香祭では、部員それぞれのイラスト、漫画、小説の載った部誌「Ｄｏ！」とイラストの販売、また、イラストのリクエストを受付けています。今年度の梅香祭では漫画部としてのテーマ「和」に沿ったイラストの展示、塗り絵スペースを設置するなど、今までとは少し違った形で催し物を行いました。そのおかげもあってか、昨年度よりも売り上げを伸ばすことができました。
　漫画部には、コピック、水彩色鉛筆、水彩絵の具など様々な画材、背景や人物、服などの描き方、色の塗り方を示した教本がそろっており、部員全員が使えるようになっています。
　上手くなるにはまず描くこと。描けなかったら調べるか、誰かに教えてもらう。そういった事ができる部活です。絵を描くのが好きな人はぜひ来てみて下さい。

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